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認知症治療病棟

特徴

  • 毎日を楽しく過ごしていただくため、さまざまな治療療法を取り入れています。
  • ストレスのかかる抑制を廃止し、自由の中にも安全を保っています。
  • 終末期では家族と過ごしていただく時間を大切にし、穏やかに暮らしていただく援助をしています。

当病棟の目的

認知症には、記憶障害や見当識障害、理解・判断力の低下といった「中核症状」と、 徘徊、昼夜逆転、幻覚やうつ、不潔行為といった「周辺症状」があります。 このうち「周辺症状」については、生活のリズムを生み出すことで改善し、 自宅や介護施設など社会に戻っていただくことも可能です。当病棟は、 家庭的な環境の中で患者様のペースに合わせて行動し、日常の生活サイクルを 取り戻していただく支援をしています。

家庭的な環境の中で患者様のペースに合わせた、 日常の生活サイクルを取り戻していただく支援をしています。

治療療法や活動

音楽療法

音楽
療法
週2回音楽を取り入れた
アクティビティを行っています。

音楽は、リラクゼーションだけでなく脳の血流を活性化させる効果があります。 特に子どもの頃に歌った歌や若い頃に流行した曲などは効果が大きいとされています。

散歩

散歩
生活リズムを形成し
徘徊や抑うつ傾向なども
改善されることがあります。

週3回行っています。適度な運動により血液が循環し、脳にも新鮮な血液がめぐります。 また、注意力が必要とされることから、良い刺激を与えてもくれます。習慣的に行うことにより、 生活リズムを形成し、徘徊や抑うつ傾向なども改善されることがあります。

園芸

園芸

花や土とふれあうことで、心が癒され、五感を刺激し、解放感、爽快感を得ることができます。

その他

その他

手芸、工芸などの趣味を活かした活動や餅つき、花見、運動会など季節を感じていただく行事も行っています。

調理

調理

手順を考えたり、準備をすることで、集中力の向上と計画性を高める効果があるとされています。

DTダイバージョナルセラピー

楽しく自分らしく生きていくため、レクレーションやアクティビティなどを中心に、 総合的にコーディネイトするオーストラリア発祥のセラピーです。 当院では、外部から専門家を招き、月1回実施しています。

橋本病院における
ダイバージョナルセラピーの実践について

一人一人の生活文化を大切に

ダイバージョナルセラピー(DT)は、オーストラリアで50年ほど前から実施され、 現在は高齢者ケアを中心に、精神科や緩和ケア、リハビリテーションなどの分野で専門職として 確立されている“自分らしさや楽しさを促進、援助する”ための思想と実践です。

“自分らしさや楽しさ”には、

 ① 患者さん一人一人の好きなことやしたいことの実現とともに、
 ② その世代、地域がもつ共通の生活文化も大きな要素となります。

橋本病院では、その両面からDTに取り組んでいます。①に関しては、一人一人の患者さんの DTアセスメントをとってその人の人生にフォーカスし、日々のレクリエーションやアクティビティも DTとしてとらえ、一人一人の実施中の状況を文章で記録します。

重度の患者さんへの“センサリーセラピー”も。五感への心地よい刺激や個別のコミュニケーション などによって、少しでも笑顔や言葉を導き出したり、何らかの実感を持っていただこうというものです。

橋本神社やベビールームは何のため?

②では、なんといっても病棟の廊下に祀られた「橋本神社」。お遍路道という立地や “ちょうさ”への愛着などこの地域ならではの信仰心や共有する生活感を大切にしたいと、 8年ほど前に“神棚”を設置してみました。すると毎朝お参りに来る人もいて、患者さんの 生活に大きな役割を持つようになりました。また、職員の手でますます“神社”らしく バージョンアップ。今では反りを持つ屋根や垣根などもできています。

もう一つの橋本病院名物(?)は「ベビールーム」。「赤ちゃんを慈しむ」気持ちを大切にする ドールセラピーを自然な雰囲気の中で実施するためのものです。
①と②の両方の目的を持つプログラムとして、橋本病院が最も力を入れてきたDT活動に 「ソナス(SONAS)セッション」があります。毎月1回、10~13人くらいで3つのグループを 作って実施しているもので、その時の季節感や生活実感、地域の風習などをテーマに歌や 花や生活用具などをふんだんに取り入れたストーリーを作ります。

その中で、個別のコミュニケーションやチョイス、エクササイズ等の要素を随所に設け、 ユーモアあふれる50分ほどのセッションとなっています。進行役がキャスター付きの椅子に 座って移動し、半円形に座った参加者と目線を合わせながら一人一人と触れ合う…というのも ソナスセッションの特長です。

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神棚

院内にお参りする神様も祀っています。日課にされている患者様もいらっしゃいます。

最期まで楽しく自分らしくの願いを込めて

このセッションにはフロアの職員はもちろん、時には他部署の職員も協力し、 患者さんの笑顔や行動の変化に、皆が喜びを感じるようになってきました。このように多くの職員の共感を得て取り組む ダイバージョナルセラピーによって、MMSE(認知症テスト)やFIM(ADL評価法)などの数値にも、“よい影響”とも言える変化が見られています。

患者さんを病院という限られた空間に閉じ込めて安全のみを追求するのではなく、 最期まで楽しさを諦めず、自分らしく生きぬいてほしい。職員のそんな願いが ダイバージョナルセラピーの実践につながっているのです。

日本ダイバージョナルセラピー協会
理事長 芹澤隆子

認知症治療病棟実績